会社に「乙4」を取るように言われたけど…そもそも「乙4」ってなに??
試験があるって聞いたけど、どんな試験なの?
この記事では、このような疑問を解決します!
「乙4」とは、危険物取扱者の一種で、以下のような引火性液体を取り扱い、貯蔵する施設で必要とされています。
- ガソリン
- 灯油
- 軽油
- ヘキサン
- トルエン
業種としては、ガソリンスタンドや化学工場で必要とされることが多い資格です。
また、コロナ禍で消毒用のエタノールを大量に保管するようになって、新しく「乙4」資格保有者が必要になった会社もあるのではないでしょうか?
この記事では、以下のことについて解説します。
- 「乙4」を取ればできるようになること
- 危険物取扱者試験の試験日、試験科目、合格点、難易度
「乙4」をはじめて聞いたと言う方、危険物取扱者試験の雰囲気をざっくり掴みたい方に向けて、難しい用語はなるべく使わずに書きました。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
- 大学生のときに危険物取扱者乙種第4類に合格(得点率89%)
- 社会人のときに危険物取扱者甲種に合格(得点率95%)
- 理系大学出身
- 趣味は資格の取得
- 公害防止管理者水質第1種や統計検定2級、漢検準1級などを取得しています
「乙4(おつよん)」とは
「乙4」とは、正式名称を「乙種第4類危険物取扱者」と言います。
「危険物取扱者」には、「甲種危険物取扱者」、「乙種危険物取扱者」、「丙種危険物取扱者」の3種類があります。
この3種類の危険物取扱者では、取り扱える危険物の種類や、権限の幅(危険物保安監督者になれるか、危険物取扱作業の立会いができるか)が違います。
- 扱える危険物の種類:甲種>乙種>丙種
- 権限の幅 :甲種≒乙種>丙種
- 試験の難易度 :甲種>乙種>丙種
「乙4」では、危険物の中でも「第4類:引火性液体」、つまりガソリンや灯油、軽油、重油、アルコールなどが取り扱えるようになります!
危険物の分類 | 性質 | 危険物の例 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 | 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類等 |
第2類 | 可燃性固体 | 硫化リン、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム等 |
第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | カリウム、アルキルアルミニウム、黄りん等 |
第4類 | 引火性液体 | ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等 |
第5類 | 自己反応性物質 | 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物等 |
第6類 | 酸化性液体 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸等 |
また無資格者は危険物を取り扱うことはできませんが、「乙4」有資格者が立ち会えば、第4類危険物に限って取り扱うことが可能になります。
定期点検を行って、取扱所や貯蔵所が安全に使用できていることを確認するのも、危険物取得者の大事な業務となります。
甲種危険物取扱者との違い
甲種危険物取扱者を取得すると、第1類から第6類までのすべての危険物の取扱い及び立会いが可能になります。またどれか1つの類で実務経験が6か月以上あれば、すべての類について危険物保安監督者になることができます。
丙種危険物取扱者との違い
丙種危険物取扱者は、第4類の中でもガソリンや灯油などに限って取り扱える免状です。
しかし、乙種や甲種と違って、無資格者の危険物取扱の立ち会いはできません。
受験申込の前に、求められる業務内容と相違がないか確認しましょう。
危険物取扱者試験の概要
「乙4」を含む「危険物取扱者」は、試験に合格しないと免状をもらえません。
そこで次は、危険物取扱者試験について解説します。
まずは試験日の確認から
試験日は都道府県によって異なります。
東京都の場合はほぼ毎週乙4の試験が開催されていますが、年3回開催の道府県もあります。
各都道府県の試験日は、危険物取扱者試験の指定試験機関である一般財団法人消防試験研究センターのHPで確認できます。
自分が住んでいる県で試験日を調べたけど、その日は大事な予定が入ってる…
試験は全国どこでも受けることができるので、近くの都道府県の試験日も調べてみましょう!
甲種試験やほかの乙種試験を併願しようと考えている場合、同日に試験を受けられるかのチェックも必ず行いましょう!
乙4に比べて、甲種試験やほかの乙種試験は、試験日の設定が少ない都道府県も多いです、
試験科目は?合格点は?
試験科目は、以下の3つです。
試験科目 | 問題数 | 合格ライン | 試験時間 |
---|---|---|---|
危険物に関する法令 | 15問 | 9問以上 | 2時間 |
基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 6問以上 | |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 6問以上 |
問題はすべて5肢択一式のマークシート方式です。
すべての科目で60%以上得点すると合格です。
「危険物に関する法令」と「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」で80%得点しても、「基礎的な物理学及び基礎的な化学」で50%だったら不合格になります。
試験時間は3科目合わせて2時間で、十分に時間がありますし、早く終われば途中退席もできます。
科目名だけじゃどんな試験か想像できないな…
それぞれの科目について例題を用意したので、雰囲気をつかんでいただければ幸いです
法令上、予防規定を定めなければならない製造所等の組み合わせとして、次のうち正しいものはどれか。
- 製造所、販売取扱所
- 屋内貯蔵所、屋内タンク貯蔵所
- 屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所
- 給油取扱所、一般取扱所
- 移送取扱所、地下タンク貯蔵所 (答)4
プロパン(C3H8)88.0gを過不足なく完全燃焼させるのに必要な空気の量として、次のうち正しいものはどれか。
ただし、空気は標準状態(0℃、1気圧(1.013×10^5))、窒素:酸素=4:1の体積比の混合気体とし、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Oの原子量を16とする。
- 11.2 ℓ
- 56.0 ℓ
- 112.0 ℓ
- 560.0 ℓ
- 1120 ℓ (答)5
第4類の危険物の一般的な性状として、次のうち誤っているものはどれか。
- 引火点を有しないものがある。
- 沸点が水より高いものがある。
- 液体の比重は、1より小さいものが多い。
- 色がついているものがある。
- 可燃性蒸気は、低所に滞留する。 (答)1
過去問の一部は一般財団法人消防試験研究センターのHPで確認できます。
合格率はまさかの3割!?
乙4の合格率は30~40%程度です。
難しい試験なんだ!どうしよう、、
ほかの乙種の合格率は60~70%程度あります。
乙4はその知名度から記念受験している人も多く、その結果合格率が下がっていると考えられます。
しっかり勉強すれば、受からない資格ではありませんよ。
勉強期間ですが、理系大学出身者だと1週間から1か月、文系大学出身者だと1か月から2か月をみておきましょう。
合格するための勉強法については、別の記事で解説しています。
まとめ
この記事では、以下の点について解説しました。
- 「乙4」ってどんな資格?どんなことができるの?
- 危険物取扱者試験ってどんな科目がでるの?難易度はどれくらい?
この記事が読んでくださった方に少しでも参考になれば幸いです。