【物化12】熱の移動・熱膨張│無料で学べる乙4

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ホットカーペット、エアコンによる暖房、電気ストーブ…これらは暖かさを感じる暖房器具ですが、温まり方という点ではすべて異なる方法で温まっています。

今回は熱の移動と熱によって起こる膨張について学習します。

POINT
  • 熱の移動には、伝導対流放射の3種類がある
  • 物質の温度が上昇すると、一般的に体積や長さが増え、これを熱膨張と言う

①熱の移動には、伝導、対流、放射の3種類がある

まずはじめに大事なことをお伝えすると、熱は高い方から低い方へしか移動しません。

熱はエネルギーの1種で、エネルギーは高い方から低い方へ移動していきます。

 高温 → 低温

さて、この熱の移動の仕方には、伝導、対流、放射の3種類があります。

まずひとつめが伝導です。

物体を加熱すると、加熱した部分から温まり、次第に直接加熱していない遠くの部分まで温まっていきます。

このような熱の移動の仕方を伝導と言います。

伝導のポイントは、物体自体はまったく動いていないことです。

また、物質の状態によって熱の伝わりやすさは異なり、これを数値化したものを熱伝導率と言います。

一般に熱伝導率は固体>液体>気体の順に大きくなります。

次は対流です。

温められた気体や液体が移動することで、全体に熱が伝わります、

伝導との違いは、温められた物体自体が移動していることです。

熱の移動の仕方の最後は、放射(または輻射とも言う)です。

放射では、熱が赤外線(電磁波)という形で伝わっていきます。

太陽の熱はこの放射で地球上に伝わります。

②物質の温度が上昇すると、一般的に体積や長さが増え、これを熱膨張と言う

温められた物質は、融解や蒸発のように状態を変化させることがあります。

ほかにも、体積や長さが増える熱膨張と呼ばれる物理変化を起こすことがあります。

温度の上昇で、どれだけ体積が膨張するかは物質によって異なり、これを数値化したものを体膨張率と言います。

危険物第4類引火性液体に該当する物質は、体膨張率が大きく、保管する際は保管容器の上部に空間を残して冷暗所に保管する必要があります。

では具体的にどれだけ膨張するのか、計算で求められるようになりましょう。

体積がどれだけ膨張したか〔L〕
 =元の体積〔L〕×体膨張率〔/℃〕×温度がどれだけ上昇したか〔℃〕

たとえば20Lのガソリンがあって、これを10℃の冷暗所から真夏の屋外35℃に出して放置したとすると、

 20〔L〕×1.35×10^-3×(35-10)〔℃〕=0.675〔L〕≒0.7〔L〕

このように0.7Lも体積が増えてしまうので、20Lの容器満杯にガソリンを入れていたら、容器が破裂してガソリンが漏れ出す恐れがあります。

確認テスト1

次の文の(A)~(E)に当てはまる組み合わせとして正しいものはどれか。

「風呂の水は温められると、表面の方が先に温まる。これは熱の(A)によるものである。

また、コップにお湯を注ぐとコップが温まるのは、熱の(B)によるものであり、熱の(B)率は一般に(C)、(D)、(E)の順で大きくなる。」

(A)(B)(C)(D)(E)
(1)伝導対流固体気体液体
(2)伝導対流気体液体固体
(3)対流伝導固体液体気体
(4)対流伝導気体固体液体
(5)放射伝導固体液体気体
答え

(3)

確認テスト2

液温15℃のガソリン20000L温めたら、20270Lになった。
このときの液温として正しいものは次のうちどれか。
ただし、ガソリンの体膨張率を1.35×10^-3〔/℃〕とし、タンクの膨張及びガソリンの蒸発は考えないものとする。
(1) 18℃ (2) 20℃ (3) 23℃ (4) 25℃ (5) 28℃

答え (4)

 270〔L〕=20000〔L〕×1.35×10^-3〔/℃〕×(T-15)〔℃〕

 T-15=270/(1.35×10^-3)=10

 T=25

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この記事を書いた人

技術屋の30代。
仕事に関係ある資格から生活を豊かにする資格まで取得済。
いろいろな資格を取得してきた経験をもとに、資格取得のHow Toを発信中。