燃えるためには、可燃物、酸素供給源、点火源の3つが必要で(燃焼の3要素。復習はコチラ)、可燃物が液体の場合、液体そのものが燃えているわけではなく、液面から発生する蒸気が燃えている(蒸発燃焼。復習はコチラ)と学習しました。
しかし実は、可燃性蒸気と空気は適度な割合で混ざっていないと、点火源を近づけても燃焼しません。
今回はこの燃焼範囲について学習します。
- 空気中において燃焼することができる可燃性蒸気の濃度範囲を燃焼範囲と言う
①空気中において燃焼することができる可燃性蒸気の濃度範囲を燃焼範囲と言う
コンロで着火しようとしても、うまく着火しないことがあります。
この原因のひとつとして、都市ガス(=可燃物)が空気(=酸素供給源)に対して薄すぎる、もしくは濃すぎることが考えられます。
このように、空気と可燃性蒸気は燃焼するためには適切な濃度範囲で混ざっている必要があり、この濃度範囲を燃焼範囲と言います。
たとえばガソリンの燃焼範囲は1.4~7.6%です。
以下の3つの条件でガソリンの蒸気と空気が混ざっているとしましょう。
①ガソリンの蒸気5Lと空気90L =10%✕
②ガソリンの蒸気5Lと空気95L =5%○
③ガソリンの蒸気5Lと空気100L =1%✕
このとき、燃焼できるのはガソリンの燃焼範囲1.4~7.6%の間にある②の条件だけです。
他の条件では、点火源を近づけても燃焼しません。
さて、可燃性液体は燃焼範囲の下限値が低いほど、また燃焼範囲が広いほど危険度が高いと言えます。
これは燃焼範囲の下限値が低いと、可燃性蒸気が少し漏れただけでも引火する危険性があるからです。
また、燃焼範囲が広いとそれだけ燃焼の可能性が大きくなります。
確認テスト
次のうち、燃焼可能な条件はどれか。
燃焼範囲(%) | 空気(L) | 可燃性蒸気(L) | |
(1) | 1.4~7.6 | 75 | 50 |
(2) | 1.4~7.6 | 60 | 30 |
(3) | 1.1~6.0 | 50 | 30 |
(4) | 1.1~6.0 | 40 | 10 |
(5) | 3.3~19 | 75 | 15 |
答え
(1)✕ 40%
(2)✕ 33%
(3)✕ 17%
(4)✕ 20%
(5)○ 16%