今回は物質の変化について学んでいきます。
試験では、変化の名称と変化の説明が合致しているかどうかが問われるので、名称と変化の説明をセットで覚えましょう。
- 物質の変化には、大きく分けて物理変化と化学変化がある
- 物理変化とは、物質そのものは変化せず、状態だけが変わる変化のことを言う
- 化学変化とは、物質が別の物質に変わる変化のことを言う
①物質の変化には、大きく分けて物理変化と化学変化がある
物質は不変ではなく、鉄はサビて脆くなりますし、氷は熱で溶けて水になります。
このような物質の変化は、物理変化と化学変化の2つに分類できます。
②物理変化とは、物質そのものは変化せず、状態だけが変わる変化のことを言う
氷を常温に置いておくと水になり、水を沸かすと水蒸気になります。
ここで出てきた氷、水、水蒸気は、元素記号で表すとすべてH2Oです。
つまり物質そのものに変化はなく、氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)と物質の状態だけが変わっていきます1。
このように物質そのものは変化せず、状態だけが変わる物質の変化を、物理変化と言います。
ほかにも、食塩〔NaCl〕を水〔H2O〕に溶かすと、食塩水になります。このとき、水も食塩も物質自体には変化がないので、これも物理変化であり、特にこのような物理変化を溶解と言います。
また、食塩を湿度の高い部屋に置いておくと、べたべたになりやがて溶けます。
このような物理変化を潮解と言います。
物理変化では物質そのものは変化していないので、ろ過や蒸留、再結晶2と言った操作を行うと、食塩水は再び食塩と水に分けることができます。
③化学変化とは、物質が別の物質に変わる変化のことを言う
鉄を長い時間放置しておくとサビがつきます。
鉄は磁石にくっつきますが、サビた鉄は磁石にくっつきません。
これは鉄〔Fe〕が酸素〔O2〕と反応してサビ、つまり酸化鉄〔Fe2O3〕に変化したからです。
このようにある物質が別の物質に変わる物質の変化を化学変化と言います。
物質が変われば性質も変わるので、鉄の例だと、磁石がくっついたのがくっつかなくなってしまったりします。
化学変化は、化合と分解の2つに大別することができます。
化合とは、2種類以上の物質がくっついて、その結果新しい物質(化合物)ができる化学変化のことを言います。
化合の中でも燃焼と酸化・還元は、危険物取扱者試験で特に重要なので、今後単元を分けて学習していきます。
化合とは反対に、1種類の物質(化合物)から、2種類以上の別の物質ができる化学変化を分解と言います。
確認テスト
物質の変化とその名称の組み合わせで、次のうち誤っているものはどれか。
(1)木炭を燃やしたら灰になった。…化学変化
(2)鉄線に電気を通すと赤熱する。…物理変化
(3)砂糖を水に溶かして砂糖水を得た。…物理変化
(4)アルコールランプを燃やして熱を得た。…物理変化
(5)水に電気を通してガスを発生させた。…化学変化
(1)〇
木炭中の炭素〔C〕が燃焼し、二酸化炭素〔CO2〕に変化します。
(2)〇
熱により赤くなりましたが、物質自体に変化はなく、冷めれば元の鉄線に戻ります。
(3)〇
溶解により状態は変わっていますが、砂糖や水自体は何も変化していないので物理変化です。
(4)✕
アルコールランプ中の液体はエタノール〔C2H5OH〕です。エタノールの燃焼によって、二酸化炭素〔CO2〕と水に〔H2O〕変化します。
C2H5OH+3O2→2CO2+3H2O
(5)〇
水〔H2O〕を電気分解すると、水素〔H2〕と酸素〔O2〕を得ることができます。
2H2O→2H2+ O2
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